整体とは

骨格の遺伝という面から脊椎異常の原因をあげましたが、この他にも後天性の原因として

1.心配と不養生
2.疲労と冷え
3.事故（捻挫や打撲）
4.悪い生活習慣によるもの
5.強い光線や音や振動
6.職業上の姿勢
7.座る時の姿勢
8.内臓異常

が考えられますが、現在のように社会機構が複雑になればなるほどいろいろな心配や不安が起こり、それが種々のストレス要因となり、正常で健全な精神と肉体とが徐々に侵されてゆくのであります。

以上脊柱の異常をきたす原因について述べましたが、それに対する治療法の原理は、異常を起こした部分に関連する神経系統の機能障害を回復させることによって、自然治癒力（この力を高めることが最も大切であります）を期待することができます。

病気の根本的原因である脊椎の骨格異常は四肢を以て矯正し、健康体と同じように脊椎を正常の状態にするとともに、身体の骨格をすべて正常の状態に矯正し、我々が持っている自然良能性（自然治癒力）が完全に働けるようにし、病気を根本的に癒し或いは発病を予防するのが整体（長生）術であります。

病気によって脊椎の一定の箇所が一定の型に転移しているのでありまして、その転移の場所および型を調べることによって病気を発見することができ、この転移を矯正することによって病気を癒し、また予防することができるのです。

施術にあたりましては、解剖の結果発見されました神経の中枢が施術の根本となります。一例を挙げてみますと、顔面の疾患は頸椎第一椎より第四椎までの左右の湾曲、頭部疾患鞭打疾患は頸椎第二椎より第七椎までの転位、脈管運動、血圧、耳の異常は頸椎第三、第四椎の転位、喉頭部の疾患は頸椎第三より第五椎までの一方の湾曲、腕の神経疾患は頸椎第四より胸椎第一までの転位、肩こりは頸椎第七椎、胸椎第一椎の転位、呼吸器疾患は胸椎第一椎より第六椎までの転位、心臓疾患、胸部痛は胸椎第四、第五の転位、胃の疾患は胸椎第四椎より第七椎までの転位、悪寒（さむけ）は胸椎第七椎より第九椎までの転位、肝臓、脾臓疾患は胸椎第八椎より第十椎までの転位、胆嚢、膵臓疾患は胸椎第十椎の転位、腎臓、小腸、卵巣の疾患は胸椎第十一、第十二椎の転位、分娩、排泄、十二指腸の疾患は腰椎第二椎の転位、下痢、大腸疾患は腰椎第二椎より第四椎までの転位、脚の神経疾患は腰椎第三椎より第五椎までの転位、腰痛、生理痛は腰椎第四椎より仙骨第一椎までの転位、膣、直腸、前立腺の疾患は仙骨第三、第四椎の転位、子宮疾患は仙骨第二椎より第四椎までの転位、膀胱疾患は仙骨第二椎、第三椎の転位、肛門疾患は仙骨第二椎より第五椎までの転位などにより起こります。

我々が真の健康を保つには、脊椎が一点の狂いもなく、正しくなっていることが大切です。
脊椎に骨格転位があればこれが原因になって、あらゆる病気にかかり易くなり発病するものですから、これらの骨格の位置異常を矯正して正常な状態にし、神経の機能を正常にし、血液やリンパの環流を正常な状態にし、自然良能性が完全に働くようにして、根本的に病気にかからない体質を作り上げることこそ、真の健康を得るためには最も近道であり、また大切なことであります。

整体（長生）術はこうした目的に基づいて薬物以外の特別の方法、つまり脊椎矯正、プラナー療法、精神療法の三者を一体として研究されたもので、今まで望みのない病に苦しみ続けてこられた方々にとって福音となっています。
また、現在丈夫であるけれども親から遺伝しそうな病気のためにお悩みの方、また、自分自身の健康に関心を持っておられる方は健康診断を受けられるつもりで、脊椎の検査をされることをおすすめいたします。

病弱な方はもとより、ご家族はじめお知り合いの方々で身体の不調で悩んでおられる方々にお知らせくださいまして、一人でも多くの方々が一日も早く真の健康な身体の持ち主になられますように、広くご紹介賜りますようお願い申し上げます。